Yaha-lab.
【essay:05】
『ガールズトーク』

夏休み最後の日曜日、友人の家に泊まりに行った。
友人の家はとても涼しく、布団まで敷いてあった。
私は久々だったので、テンションが上がってきた。
「さあ、お泊り会恒例のガールズトークをするぞ!」と
私がはりきっていると、
友人はもう眠りにつこうとしていた。

「早く起きんかい!まだ夜の9時やないね!」と
友人をたたき起こした。
友人は「ぎゃ!?」という悲鳴にも近いような声を出し、
もそもそと、布団から芋虫のように出てきた。
「今からガールズトークするよ!目標は3時まで!」と
私が言うと、「ガールズトークって何?」と友人。
ガールズトークを知らないのか…。私はがっくりとした。

そこでガールズトークはやめ、怪談をすることにした。
電気を消し、ケータイのあかりで自分の顔を照らした。
私が怪談を話していても、友人の声が聞こえないので、
「フフフ…これはかなり怖がっているな」と思い、
最後まで話した後、電気をつけると、
なんと友人は寝ていたのだ。
私はずっと一人でしゃべっていたのかと思うと、
恥ずかしくなってきた。
なので半ば八つ当たりのように友人の頬に
ビンタをして起こした。

その後も、何回も友人が寝ようとする度に、
私が起こすという繰り返しで、
いつの間にか3時を過ぎていた。
私は疲れてすぐに寝入ったが、
友人は頬が痛くて、あまり眠れなかったらしい。

 

 

(by I.M 2010)