恩田 陸(おんだ・りく):1964年−
幼少期から作家デビューまで、
恩田陸が恩田陸になるまでの読書遍歴。
(恩田陸のデビュー作→)
WEB本の雑誌「作家の読書道」(2004年)より、一部を抜粋。
子供時代
〜小学生
ロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』
 (初めて寝食を忘れて本にのめりこむ体験をした)
◆『くまのプーさん』『秘密の花園』『若草物語』…
◆日本の作家で最初にハマったのは、江戸川乱歩の少年探偵団モノ
◆小学3、4年生で星新一
◆5歳上の兄の影響でアガサ・クリスティエラリイ・クイーンなど、
 ミステリの王道にはまる。
◆初めてのSFは、アイザック・アシモフの『ミクロの決死圏』
 (当時テレビで放映された映画の原作)
◆少女漫画は、いがらしゆみこ里中満智子一条ゆかり山岸涼子
  美内すずえなど。
小林信彦の『オヨヨ大統領』シリーズ(小林作品はずっと追いかけた)
植草甚一の『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』を
 小学5年の時に親にねだった(数多くの海外ミステリを覚えた)
リチャード・マシスンの『地獄の家』が面白かった
 (当時流行った ホラー映画『ヘルハウス』の原作)
◆純文学系は『しろばんば』『次郎物語』『坊ちゃん』など。
◆小学6年生のとき、中井英夫の『虚無への供物』を読んだ。
 (文体に不思議な魅力がある。今でも年1回は読みたくなる)
◎一番しっくりきたのは、海外ミステリ。
中学時代
◎家にあった文学全集など、とにかくあれば読むという感じ
石井好子の『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』
 (オニオングラタンスープの作り方がすごくおいしそうで、
  肌寒い季節になると読みたくなるエッセイ)
高校時代
◎これまでのジャンルに、ノンフィクション作品も加わる
立花隆の『宇宙からの帰還』
  (人類や地球を外側から見る体験に衝撃を受ける)
開高健が好きでよく読んだ。谷崎潤一郎も全部読んだ。
◆『ライ麦畑でつかまえて』や『アルジャーノンに花束を』に泣いた
◆江戸川乱歩賞の小峰元『アルキメデスは手を汚さない』
 (芥川龍之介の『薮の中』っぽいところがある学園モノ)
大学時代
◎1日1冊は読んでいた。国文科だったので一応古典も読んだ。
◆大学のゼミでは谷崎潤一郎、卒論は永井荷風を選んだ。
 (どっちも家に全集があった。谷崎はトリッキーな小説で大好き。
  荷風はエッセイや日記のほうが面白かった)
スティーヴン・キングの文庫を追いかけた。
 (キングの作品では『ファイアスターター』と『IT』が好き)
ロレンス・ダレルの『アレキサンドリアカルテット』が好きだった
 (名訳で文章と構成が素晴らしい。なめるように読んだ記憶がある)
エド・マクベインの「87分署シリーズ」をくる日もくる日も読んだ。
社会人〜
作家
デビュー
まで

◎社会人になってハードカバーの本が買えるようになって嬉しかった。
◎当時、翻訳作品は出たものすべて読んでいた。
◆ 覚えてるのはルース・レンデルの『ロウフィールド館の惨劇』
  (暗い話だが、犯人の動機がすごく話題になった本)
◆小説を書いてみようと思ったきっかけは、26歳のときに読んだ
  酒見賢一の『後宮小説』(第1回日本ファンタジーノベル大賞)。
 
私と一歳しか違わないのに、中島敦みたいな天才的なものを感じた。
  当時、"年をとったら作家になりたい"と思っていたが、20代でも
 
書く人は書くんだと知って、なら自分も書いてみようと思った。

(ソース:WEB 本の雑誌「作家の読書道」より→)
当代の人気作家たちが、どんな本を読んでいるかをインタビューする
「作家の読書道」の第36回目(2004年10月)に恩田陸さんが登場。
(2018年5月現在、第194回まで続いている)