親父が生きとる間は、ちょっと枯れたらマズイなあと思って。
親父が亡くなったんで「もう失敗して枯れてもええや」と
開き直って取り木したら、2年後に根がつきました。
盆栽の面白いところは、イメージ通りに樹形を整えたり、
舎利(しゃり)や神(じん)※をこしらえたりすることです。
※【舎利(しゃり)・神(じん)】
幹の一部が白く枯れた部分を「舎利」、枝の一部が白く枯れた部分を「神」という。
自然の古木を真似てつくる盆栽の技術がある。
年ごとにやり変えたり、何年もかけて形を作ったり、
盆栽は、これで完成というのがありません。
どんどんよくなるか、失敗して悪くなるか。面白いですよ。
画家をしていた義理の弟に、
「絵描きは、絵を描いたら終わりやからええなぁ。
盆栽はつくった後も、一生水をかけんといかんとぞ」
そんな話をして笑ったことがあります。
盆栽は生き物やから、やりはじめたらやめられません。(笑)
私の場合、盆栽は健康にもいいようです。
毎日20分ほどの水遣りが、いい運動になっていますし、
たいてい病気をしたら、その病気についていろいろ悩むでしょ。
夜、寝られんやったりするとかえってマイナスですよね。
でも、趣味があると気持ちの切り替えができます。
あの鉢の、あの枝をどうしようかとか、
好きなことを飽きもせず考えているのが、健康にもいいようです。
世話する人がおらんやったら木も困るやろうと思ったら、
死にもされません。(笑)
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