Yaha-lab.
【俳句・川柳コンテスト(2008)】
※作者名を伏せ、みんなの投票で「優秀賞」を決定

【お題@:秋】

★<優秀賞>
ダイエット 食欲の秋で リバウンド

互選評◎「リバウンド」のところが面白かった。◎正直な気持ち。
【解説】川柳には、「ついやってしまう」といった人間的な弱さや愚かしさを表現して笑いを誘うという方法があるが、この句はまさにその好例。選んだ理由には「面白いから」というコメントが圧倒的に多かった。

 

★<優秀賞>
バイバイと 手を振る友に夕日射す

互選評◎とてもロマンチック。◎友との別れを「夕日」を使っていっそう深めている。◎本当に見たらきれいだと思う。
【解説】読む人ごとに仲のよい友達の顔が思い浮かぶ句。同じ作者の「秋風にたなびく雲よ 茜雲」との連作効果で感動が深まる。



満点の星空の下 流れ星

互選評◎キレイ。◎いいなぁと思った。◎秋の星空の雄大さが伝わる。◎最後の「流れ星」が星空をいっそう引き立てている。

 

 

【お題A:学校生活】

★<優秀賞>
校長 ぜったい話長いよね

互選評いつも本当にそう思うから。◎同感。◎自分の思ったことをストレートに書いているのがいい。◎面白い。
【解説】今も昔も、生徒にとって校長の訓話は退屈なもの。「校長」の後の、一拍の「間」に思いがこもる。

 

★<優秀賞>
感想文 文字数稼ぎに句読点

互選評僕もしたことがある。◎苦手な感想文を頑張って書いている姿が目に浮かぶ。
【解説】誰にも覚えがある経験を巧みにすくいあげている。

 

四時間目 絶対おなか鳴っている

互選評◎自分もそうだなと思った。◎僕も四時間目ぐらいにおなかがなるから。
【解説】同じ作者の「昼休み プロレスしてて息切れる」の句や、次の作者の「五時間目」の句と連作のよう。中学校生活の思い出の一コマとなっている。


五時間目 ふと気がつけば夢の中

互選評◎五時間目のけだるい様子が伝わってくる。◎五時間目が眠いということを「夢の中」という語を使ってうまく表現している。◎実際にときどきあった。

 

【お題B:自由】

★<優秀賞>
オレオレオレあなたはだあれオレオレオレ

【互選評】◎よくわからない感じがいい。◎同じ言葉を繰り返していて面白い。◎リズム感がいい。
【解説】「オレオレ詐欺」でなくても、家族や友達の声を聞くと、つい名乗らずに「あ、オレオレ」と繰り返してしまう。「オレオレオレ」という繰り返しによる切迫感と「あなたはだあれ」というのんびりした受け答えの対比が絶妙。

 

★<優秀賞>
振り向けば 妖怪だらけ 参観日

【互選評】化粧の濃い親を「妖怪」とたとえているところが面白い。◎笑えます。◎たまにある。
【解説】「妖怪」と言い切った勇気に拍手。自分の母親だけならまだしも、クラスメートの母親もまとめて「妖怪だらけ」と一刀両断。しかしそこは人間、「怖いもの見たさ」でつい振り向かずにはいられない。ひえーっ。

 

こたつ出し 中で寝てますうちの犬

【互選評】◎犬がもう早々と寝ていて、自分の入るスペースがなくなっている感じがよい。◎冬のこたつの温かい感じがいい。◎僕の犬も寝ている。
【解説】「♪犬は喜び庭かけまわり」のはずが…まったくウチの犬ときたら…。「こたつ出し」の主語を、あえて「犬」だと考えれば、犬が「寒いねぇ」などと言いつつ、自分でこたつを引っ張りだしてきて、寝そべっているマンガのような姿が想像できてカワイイ。


休みの日 早起きしても部活ない

【互選評】◎部活の引退前の習慣を書いているから。◎急いで起きても部活がなくて残念。◎なんかいい感じ。
【解説】キツイ練習がなくてホッとしているのか、ちょっとさみしいのか、たぶんその両方だろう。部活に打ち込んだ三年生ならではの感慨がこもった一句。


朝起きて寒かったので二度寝する

【互選評】同感。◎よくある。
【解説】冬の朝は布団から出るのがつらい。で、結果的にまた遅刻。
「朝起きて寒かったので二度寝しました」と先生に正直に言うと、もちろん叱られる。