【Interview】2007年6月24日
PTA会長との対決。
その後、二人のかけあい漫談が
面白いと評判になって
吉田 修 先生

◆PTA理事会での会長との対決。

枝北で何年かして支持者もできたけど、
しかし「このまま吉田をほたっとく訳にはいかん。
なんとか成敗せにゃいかん」ということでね、
吉田と対等に話のできるPTA会長を持ってこんと
牛耳られるということで、急遽、Tさんが会長に選出された。
総会の中で緊急動議が出て、全部お膳立てができとってね。

その後日談が面白いんよ。第1回目の理事会で、
そのTさんと対決することになったわけたい。
吉田をこてんぱんにやっつけて、ぐうの音も出させんと(笑)。

――対立の争点は何だったんですか?

高校の合格率が減ってきとると。これでは困ると。
実は減ったわけではなくて、たまたま僕の持っとった学年がね、
男5に女3の割合で、女子の合格数が少なかったわけ。
そのことを会長はわからんで、数の上だけ見てね、
この始末をどうしてくれると迫るわけ。

――何人増えた、減ったで当時はそんなに大騒ぎしてたんですか。

おお、そうよ(笑)。

――それだけ受験戦争が過熱してたんですね。

そりゃもう、あの頃は受験が何よりやもん。
で、Tさんは結果だけしか聞いてないからね。
僕が「事実はその通りです。しかし、その中身は知っていますか?」と逆に問い返したら、Tさんは立ち往生したわけよ。

しばらく沈黙が続いてね、Tさんがとうとう開き直ったわけ。
「よし、しょうがない。もう言おう」とね。
「俺はPTAの会長とか、なるつもりは毛頭なかった」と。
「しかしお前でなければ枝北のPTAは成り立たんということで、
第1回目の理事会で、これこれのことを吉田先生に聞けと、
そして責任を追及せいと言われて、言うただけやから、
今吉田先生から聞かれた質問には答えられません」と、
ぜんぶバラしてしもたわけたい(笑)。

それで僕が言うたわけたい。
「よし、あんたがそこまで言うなら、もう今からあんたを絶対信用する。あんたの言うことはなんでも聞く」と。
その代わり、PTAの運営について僕は意見があると。

前から言うとったけどね、PTAの理事会で教育問題が話題になることが一つもないと。こんなPTAは意味ないと。せっかくこうしてみんな集まってもらうからには、30分だけでもね、学校の問題、子供の問題を議論しようと。

僕とあなたが交互に問題提議して、これについてどう思うかとか、今こんな問題があっとるとか、新聞でこういうのが出たがどう思うかとか、それを話そうと。約束できますか?と聞いたら、「できる」と返事が来たよ。
で、それをやろうということになって。

――なるほど。2人でですか。

僕が退職した後にね、ある母ちゃんに言われたんが、
「もう先生、枝北のPTAはあれから後、楽しゅうてね。
出席率が100%やったんですよ」と(笑)。
それは僕とTさんのかけあいが、半分は漫談たい(笑)。
「おかげでPTAが楽しゅうございました」と言われてね。

――そりゃあ、観客は楽しかったでしょうね。

もう、僕はそういう教員やったからね。
校長にはずいぶん迷惑かけたと思うよ(笑)。

――PTAの理事会には、校長も出席していたんでしょ?

学校代表で校長も何か話をせないかんからね。

――そんな話より、観客はみんな吉田vsPTA会長の
メインイベントを待っているわけですね(笑)。


しかし、ようしよったねぇ。親と喧嘩というか、議論しよったというかね。
そやけど、たとえば僕の言うことなり主張なりは、校長は否定できんわけやからね。そこまで言うてもろうちゃ困るということはあってもね。

僕のエゴで言ったり、セクトで言っとるわけやない。やっぱりベースは子供のことが第一やからね。別に間違ったことを言いよるわけやないしね。

――まるで校長が2人いるみたいなものだったんですね(笑)。

(つづく)